たまには自転車の細かいお話も

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「だってカッコいいから!」

とゆうパワーワードを駆使するふんわり紹介に定評のあるボクですが、それしかないとファッションメカニックだと思われかねないのでたまにはまじめなお話もしときます。

今回はタイヤのお話。

色んなところで解説されつくしている内容ですけど、ticketのブログでは完成車の紹介が多いのでたまにはこうゆうのもいいでしょうってことでしばらくお付き合いください。

「タイヤって、要はゴムでしょ?」

当たりのようで大正解ではありません。

まずはタイヤの構造図をどうぞ。

確かにほぼゴムです。でもゴムだけではありません。

タイヤを大きく分けると3つのパーツからできてます。

コンパウンド・ケーシング・ビード

これらをひとつにまとめたのが「タイヤ」になります。


よく見かける”TPI”ってなんぞ?

カタログなんかでタイヤをじーっと見てるとよく書いてある数字 “TPI”

TPIとは”threads per inch”の略。ケーシング内の1インチの中にどれだけの繊維が詰まっているのかを数値化したものです。

え?タイヤなのに繊維?と思うかもしれませんが、これがタイヤはただのゴムではない部分。

繊維質の織物にゴムをぺたぺた塗った言わばタイヤの骨格であり筋肉。

実際に走った際にライダーのフィーリングへ直結するタイヤの非常に大事な部分。

各メーカーのタイヤで見かけるのはだいたい20~330TPIくらいまで。思いのほか幅があるんですよね。

じゃあTPI値が高いと何がいいのか?それはタイヤのしなやかさに影響を与えます。

タオルで想像してみてください。安いタオルはライトに透かすと網目が荒いので光は透けてきますし、糸も太くて肌触りもごわごわ。でもその分安い。

逆に高級タオルとして有名な今治タオルなんかは細い糸を目を詰めて織ってあるので肌触りもふんわり気持ちいい。でも高い。

タイヤも同じことが言えます。高TPIのタイヤは基本お値段も相応に高いです。

高TPIのタイヤは高圧で空気を充填しても密度の高いしなやかなケーシングのおかげで、よっこいしょとペダルを踏みだした時に転がりへの抵抗も薄くなり、なおかつ密度の高いケーシングはそこに浸透しているゴムの量が少ないので重量も軽くなります。

これはお客さんに体感してもらう機会がなかなかないんですけど、高TPIのタイヤはぺったんこの状態から空気を充填した時にケーシングがしなやかなのでただ空気を入れるだけでビードがホイールにしっかりとひっかかって楽に、しかも綺麗にタイヤをはめることができるんで作業しているボクらは非常に快適だったりします。

ハンドメイドタイヤブランドchallengeのグラベルタイヤgravelgrinder

画像はホイールにはめて、チューブをいれていない状態。アイボリーと赤い部分、ここがケーシングのいる部分。


じゃあタイヤはTPI値を見て選べばええんやな!!

と、すんなりいくなら楽なもんなんで現実はそうじゃないんです。

なんでか?

それはコンパウンドの存在。

ケーシングはあくまでタイヤの骨格&筋肉。地面と接する皮膚はコンパウンド。ケーシングの数値が同じでもこのコンパウンドの違いで乗り味も全く違うものになるんですよね。

例えば同じTPI、同じ外周径、同じ太さのタイヤでもコンパウンドがツルっとしているタイヤとゴツゴツしているタイヤでは地面との摩擦も違うので乗り心地も違います。

TPI値はタイヤを選ぶ上での指標にはなり得ますが性能面を測る絶対の指標ではありませんし、そもそもTPI表記のないものもたくさんあります。

正直なところ結局はそのタイヤの性能は乗ってみないとわかんないので、「タイヤの特性を知った上でのタイヤ選びの物差しのひとつ」くらいに思っておくと悩むことも少ないかなと思います。

<高TPIのタイヤ>

しなやかなケーシングで転がり抵抗が小さい。

重量が軽い。

耐久性が低くなりがち。

値段が高い。

<低TPIのタイヤ>

固めのケーシングで「高TPIケーシング」と比較すれば転がり抵抗が大きい。

ゴムの量が多いので重量が重くなりがち。

耐久性は高いものが多い。

値段が総じて安い。


で、さっきからチラチラ写ってるタイヤは何?

ハンドメイドタイヤブランドchallengeのグラベルタイヤgravelgrinder

このタイヤをおススメしたいがためにこのブログを書いたようなもんなんですが、近々お店用に組むEBSにいれちゃおうかなーと準備したchallenge社のタイヤ。その名もgravel grinder。サイズは700x33C。

元々はグラベルライドやシクロクロスレース用のタイヤで、太さもちょい太目の33C、適正空気圧はmax75psiと細すぎず、固すぎないちょうどいい塩梅。

コンパウンドのセンターがヤスリ目が舗装路ではちょうどいい転がりで、サイドに少しだけ入ってるノブがカーブの時にしっかり路面を捕まえてくれるので街中でのライドでも色々助けてくれる、いいタイヤなんです。

このgravel grinderは260TPI。上で書いた内容で行くとかなり高い数値になってます。その分、太さとコンパウンド以上の転がりの良さを発揮してくれるので日常使いからサンデーライドまで幅広く対応してくれるボクおススメのタイヤ。

ハンドメイドを頑な貫くタイヤだけあって、一本¥8,400+taxとタイヤの中ではそれなりに値段のする部類。

高TPIは耐久性が低くなりがちで高いって言ってたのに何で日常使いやサイクリング用途におススメやねん!

と、言われれば・・・

だって、見てください!めちゃくちゃカッコいいじゃないですか!

はい、一周回っていつものパワーワードに着地しましたね。

お後がよろしいようで。

ハンドメイドタイヤブランドchallengeのグラベルタイヤgravelgrinder

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