八戸線に乗り込んで、種差海岸駅で下車して下さいと言われていたにもかかわらず、慌てて降りたらなぜか睦奥白浜駅。
ここから八戸方面に自転車で戻るか、一つ先の種差海岸駅まで行くか悩み、道にいた人に訊いた。
ワタクシ『種差海岸、行くべきですか?』
道の人『はい、行くべきです。』
ワタクシ『では、行ってきます。』あまり優柔不断ではない方だ。
海風を感じながら気持ちよく走っていくと、海岸沿いに芝生地が広がった。ん???ここはスコットランドか?イングランドか?天然芝生が広がり、ゴツゴツとした岩があって、雲が低く、とてつもなくイギリス感満点だ。本当にここは青森県で、目の前は太平洋なのか?と疑うほどだ。
懐かしい。実に実に懐かしい。私は、イギリスの荒々しくて崖が多い海岸線が大好きだ。イギリス南部イースト・サセックス州にあるセブン・シスターズという海食崖は、真っ白い石灰岩の崖。高さ150mの絶壁がドーバー海峡に面していて、息を飲む美しさなのだ。ここ、種差海岸に絶壁はなかったけれど、芝生と海の組み合わせがイギリスを連想させた。
あいなめ釣りをしに来た方と話し、全く聖地(山口県)ではないけれど芝生でゴロゴロし青森を肌で感じ一息してから、三陸復興国立公園を自転車で八戸へ向けて走り出した。トレイルルートが出来ていて、所々は自転車を置いて、散歩してみる。そのうち、『ケルトっぽいな、ここはアイルランドか!?!?』と錯覚を起こすような要塞が現れた。葦毛崎展望台は旧日本軍が監視所として使用していたが、今では展望台となっているようだ。もう、青森ではないぞ。近くに記念碑のようなものもある。完全に青森ではない。ワタクシはアイルランドまで自転車で来てしまったんだ。
なんじゃこりゃ?どこじゃ、ここは?と頭の中は???でいっぱい。
Teleportation・瞬間移動ですよ。勘違いライドもいいもんだな。(基本、人生勘違いして生きてます。)
田舎では、電車の乗るのもワクワクするね。かわいいもん。
本数少なくて、度肝を抜かれたりもするけど。
慌てて飛び降りたら、一つ手前の駅だった。
予備知識なく来てみた。行った先でコンビニやお店があるとは限らない。手元にあったのは、アメリカンなプロテインバー1本で、かなりかなり不安になるの巻。(爪が青いのは、体調不良でもなく、おしゃれでもなく、和歌山で藍染めしたからさ。)
自転車を押して種差海岸。ここに来て、頭が混乱し始める。
ここは、スコットランドか???
太平洋なのに、大西洋、アイリッシュ海、北海にみえる。
疑いの余地なく、ここはアイルランドだ。
ここは、スコットランドのリンクスのゴルフ場ですよね?
ケルト国のどこかだな。
ここは南イングランドですよね?雲まで完璧にイギリス。そりゃ、錯覚起こすでしょーがー!