三途の川の向こう側で、千葉から恐山まで歩いて来た男と遭遇。

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本当に存在した三途の川を渡ると、恐山菩提寺はすぐそこ。雨が降り始めていて、重々しい感じとおどろおどろしい感じが増すなんてもんじゃない。

貴重品以外の自転車と荷物はお土産さんの前に置かせてもらった。14時に500円の入山料を払い、門をくぐる。カルデラにあるので、噴気活動がみられ硫黄の匂いが立ちこめているけれど、なんだか境内はなんだか清々しくて、凛としていて気持ちがいい。一時間ほどかけて回ったが、地の果てまで来て1時間で帰るのはもったいない。(大型観光バスで来る方達は温泉にも入らず小一時間ほどで帰ってしまう。)ガイドさんを雇って、しっかりじっくり回りたい。受付に戻りそれなりのガイド料を支払い、再入山。やはり、見逃したり、気づかなかったり、知らないことだらけだった。詳細は省くが目から鱗とはこのことだった。ガイドの加藤さんありがとうございます。

写真を撮るために3回目の入山を決めた。しかし、私が自転車を停めているところに一人の男性が姿勢を正したまま何時間も座っているではないか。彼は私が到着した14時頃には既にいた。既に2時間は経っている。話しかけてみるとなんと千葉から2ヶ月歩いて!!!来たと言う。理由は亡くなった双子の兄弟が来たがっていたが、病死してしまったので一人で歩いて来たとか。元自衛隊員、そして度肝を抜かれるほどの軽装。小さいリュックに肩からテントをかけているだけ。雨が降っていて濡れたくないというので、『わかります、わかります。私もサイクリング用一着と夜用一着しか持ってないので、濡れるのは致命的ですよね。』という会話を交わして、私は3度目の入山。その直前、今晩は三途の川のこちら側にとどまるのか、それともあちらの世界に戻っておいた方がいいのかの決断を迫られた。自転車で戻るならすぐにでも出発しないと山越えしている時に日が暮れてしまう。雨も降っている。バスという手段もあるが最終バスはもうすぐだ。しかし、折角だから温泉に入りたい。500円の入山料に温泉代も含まれている。あまり迷わないワタクシが、久しぶりに迷いに迷った挙げ句、こちら側にとどまる決心を下した。唸った。17時に温泉に入る準備をして着替えを持って4度目の入山。木造湯小屋の掛け流し、白濁の湯だ。檜と硫黄が香る、小さくて風情ある温泉。一人でのんびり浸かり、寝れる格好で閉山直前に出て来た。さてと、テント場はどこにしようかなぁとうろうろしている時に、深刻な事態に発展しようとしていた。

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実在した三途の川を渡る。気合いを入れる。入れまくる。

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恐山の雰囲気に飲まれるな。菩提寺には沢山の地獄がある。重罪地獄や修羅王地獄、どうや地獄。しかし、宇曽利湖・極楽ヶ浜もあるよ。

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イタコは現在3名しかいないそうで、常駐している訳ではない。一番若い人が40代で、その人で最後になるらしい。死者との対話を信じている訳ではないのでお願いはしなかったが、話せるとしたらジョン・レノンかブルース・リーかな。津軽弁で返ってくるんだろうけどさ。

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硫黄ガスのせいで植物も動物も住み着かない地獄と言われている。

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今回の旅は、結構お風呂に恵まれている。基本、友人もしくは友人の実家や知り合いのところに泊めさせてもらっているからだ。何日もお風呂に入れない旅もあるのに、日本は温泉もあるし、旅に向いてるかもね。

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独り占め。

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後ろ姿をパチリ。姿勢が正しいこの男性の正体は?!

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