最果てで、遺言残すハメになる。Oh Dear.

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恐山菩提寺の温泉を、閉山18時ギリギリで出てきた。先ほどの男性Sさん、まだ直座不動(?)で姿勢を正したまま座っているではないか。

ワタクシ『今日はお参りに行かなかったんですか?』

Sさん『雨だったんで、明日にしました。』

ワタクシ『そうですか。今晩、テントはどの辺に張られます?』

Sさん『今、雲の動きを見てるんです。テント場は、この後偵察に出かけてから決めます。』偵察と言う言葉を聞いて、元自衛隊員なんだなぁ、それにしてもちょっと変わってるな、と思い始めていた。相変わらず姿勢は全く崩さず。チッケット売り場のおじさん達が帰り際に訊いて来た。

おじさん『君は今晩、ここに泊まるのか?どこにテントを張るんだ?』

ワタクシ『ガイドさんの待合室前の軒下で。雨が降っているんでいいですか?』

おじさん『いいけれど、あの男は大丈夫か?』

ワタクシ『ちょっと変わっているけど、大丈夫ですよ。優しそうです。』

おじさん『私はとても危ないと思うんだが、君が心配だ。』と言われた途端、背筋がゾクゾクとし始めた。戦慄が走った。忘れないで欲しい。ワタクシが今いるのは三途の川のこちら側だ。

ワタクシ『じゃ、自転車で三途の川の向こうに ボロボロの朽ちた小屋があったので、その後ろに隠れてテント張ります。』

おじさん『あっちは硫黄ガスが立ちこめてて危ない。寺の者に君が今晩、門の外で寝ていることだけは伝えておくよ。くれぐれも気をつけて。』

あああああああああ~~~~~、どうしましょ。この先はどん詰まり、三途の川のこちら側、日が暮れてから山道自転車運転するのは無謀だ。とりあえず、誰かに連絡しなくては。しかーーーーーーし、電波は当然飛んでない。メールも電話も出来ない。公衆電話があったので、念のためにいつも持ち歩いているテレフォンカードを使って、まずは八戸で待っているかもしれないNちゃんのお母さんに、今晩はここに泊まることだけは伝えておこう。留守電。なんだか、ぶちぶち切れているがメッセージは残した。東京のベースキャンプ、友人Buにも電話するが、留守電。口頭で遺言を残す。最後に友人iに電話したらやっと生身の人間につながって安堵。事情を説明し、『今晩何かあったら、自分はここにいたということで。』と言い残し、2016年の山口県千畳敷と同じく覚悟を決めた。

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昔は宇曽利湖で泳いでいた人もいるというが、とても入水する気になれず。硫黄臭がぷんぷんする。

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地獄と極楽がある場所。

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地蔵信仰が厚い。

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最果ての霊場温泉。最期の湯?

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テント場を探しに偵察に出かけたSさん。もやの中に消えていった。

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こんなことをしてていいのか?ここにいていいのか?と何度も自問自答繰り返すこととなる晩。

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自分の最期の映像になるかと、映画『ブレア・ウィッチ』の様に、恐怖におののく自分をビデオに撮り続けた図のひとコマ。(映画みてないけどね。)

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