すでに1月半ばですが、明けましておめでとうございます。コロナでてんてこ舞いになっているイギリスから情報発信しております。自転車は既に多くの人の交通手段となっていて、自転車業界は大忙しです。サイクリストでもあるボリスは(首相。こっちでは、みなボリスと呼び捨て)ロックダウン中に11km自転車に乗って咎められてます。エクササイズとしては問題ないのだけれど、ローカルで運動しましょうと呼びかけているのに11kmはなんだと。ローカールの定義がはっきりしていないイングランドでは、少々自宅から離れたところまで車で行って屋外で運動/散歩/ランニングなどする人もいるわけで、その人たちが警察に罰金を支払わされたり(後から謝罪と返金)と問題になってるからです。11kmなんで サイクリストとしたらなんでもない距離ですけどね。スコットランドでは、こういうことが起きないように自宅から半径何キロ以内でのエクササイズと決まっております。まぁ、3度目のロックダウン。どうにか、踏ん張っております。
さてさて、去年のブログの続き。そしてこれはロックダウンになる前の話。
ニュー・フォレスト3日目。しっかりとべジタリアン・ブレックファーストを食べた後、ルート確認をしてから出発。ここリンドハースト(Lyndhurst)から、宿の人に勧められたバーリー(Burley)という魔女の村を目指した。放し飼いのポニーや豚さん達のように、自由を謳歌しながら森の中を走り抜ける。バーリーは1950年代の終わりに”白い魔女”と呼ばれていたシビル・リーク(Sybil Leek)という女性が住んでいたことに始まったようだ。白い魔女というのは、悪い魔女でなく善良な魔女のことで、いつも真っ黒なコートを着て肩にはカラスを乗せて歩いていたそう。その後、彼女はアメリカにオカルトを学びに引っ越して行ったらしい。村には魔女の看板やお土産屋がたくさんあったけれど、おどろおどろしい感じはなく可愛らしくこじんまりした村だった。次に目指すは、ホルムスリー(Holmsley)。古い駅を改装して作られたティーハウス。イギリスでは、日本ではお目にかかれないほどの大きさのスコーンをよく見かける。そして、絶対食べきれない。日本のスコーンの方が繊細で、もう少ししっとりして、味のバラエティーも豊富で絶対に美味しいと思う。しかし、スコーンの後から何をどう間違えたのかルートを完全に外れて、随分と南下してしまった。2人とも、紙の地図が好きなもんでスマホで確認した時に初めて間違いに気づいた。イギリスの冬は日が暮れるのが早い。冬至の日には4時前が日没だ。来た道を大急ぎで戻り、予定していたルートに戻った時に決断に迫られた。真っ暗で交通量の多い国道をまっすぐ北上するか、これまた真っ暗な森の中を遠回りしてでも走るか。イギリスの田舎は真っ暗だ。環境に配慮し、やたらに街路灯を設置してはいけないという法律がある。当然、フロントとリアのライトは持っているが、田舎道をすっ飛ばす車が怖いN氏は、なんと森の方がいいという。こっちは、時間短縮のため国道の方がいいかなと思ったが、ゆっくり森の中を走って帰るということで意見を一致させた。一番怖いのは車。次にポットホール(Pot Whole)と呼ばれる舗装道路のくぼみ。これで事故にあうサイクリストは本当に多いこと。フロントライトは地面を照らし、ふくろうの泣き声が聞こえる森の中を走り抜ける。そして、3番目に危険だったのは、なんとウロウロとしているポニーさんたちであった。突然、視界に飛び込んでくるからびっくりだ。ライトの電池切れの心配、暗闇と事故の恐怖を克服し宿に戻ったのは午後8時。予定を3時間もオーバーして、ほぼ10時間出ずっぱりだった。迷いはしたけど、事故なく戻ってこれて、本当に終わりよければ全てよし。完璧な1日だった。
愛車Surly Long Haul Truckerと共に。
ポニーに注意!
曲がり角に注意!
豚さんに注意!
アヒルに注意!サイクリングキャップかじられます。
魔女に注意!
魔女のお土産屋
機関車に注意!
巨大スコーンに注意!
無理矢理食べる
まだ道を外れていると気づいてない頃。
ポニーや豚が広大なエリア外に出られないように、境界線にはこれがある。ちょっと怖い。
森の中で日没。
暗闇の中、自分たちのライトだけが頼り。
この下の赤線がルートから外れた部分。何回も森の中で迷っているのがわかる。
夕食はベジロースト。ケールとマッシュポテトの盛り合わせ。明日に備える。